[PR]

 江戸時代の宿場町の雰囲気が残る長野県南木曽町の妻籠(つまご)宿と、岐阜県中津川市の馬籠(まごめ)宿。両宿を結ぶ旧中山道の馬籠峠を歩く外国人ハイカーが、近年増加している。英国のテレビ放送などで知名度が上昇。2018年度は65の国・地域の人が訪れ、初めて3万人を突破した。日本人より多い6割超を占めており、まだまだ増えそうな勢いだ。

 二つの宿場の距離は約9キロあり、徒歩で約3時間の道のり。外国人ハイカーは、交通の便の良いJR中津川駅から馬籠宿に入り、妻籠宿まで歩く人が多いという。江戸時代の旅が体験できるとして広まり、急な坂道はあるものの、荷物を有料で運んでもらえるため、身軽に歩けることも人気につながっている。

 妻籠宿の住民らでつくる公益財団法人「妻籠を愛する会」は、両宿のほぼ中間地点にある「一石栃(いちこくとち)立場(たてば)茶屋」を整備。無料でお茶を振る舞いながら、通過する人数と国籍を調べている。

 茶屋は江戸時代後期の民家を改装したもので、いろりや畳の休憩場がある。古い日本の雰囲気が楽しめることから、多くの人が立ち寄っている。

 4月、英国から来たマッチ・ルーヘンさん(31)は「とても美しい宿場町と峠道だ。昔に戻ったよう」と満喫した様子。

 茶屋で出迎える勝野富紀人さん(78)は、今年の秋で10年を迎える。やかんでお湯を沸かしながら、忙しそうに茶わんを洗う。ヒノキの笠をかぶり、簡単な会話で対応する。

 「単語で通じるんですよ。多くなった外国人に、行き届かないこともあるけど、笑顔で迎え、笑顔で送り出しています」

 外国人の峠越えは、09年度は約5850人だった。それが18年度は約3万1400人に増え、5倍を超えた。外国人の増加は、英国のBBC放送の番組で取り上げられた数年前から顕著になったという。一方、峠を歩く日本人は年々減っていて、18年度は全体の4割を切った。

 18年度の65の国・地域のうち、33カ国は英国のほか、フランス、スペイン、ドイツなどのヨーロッパからだった。妻籠を愛する会の調査では、目的は山や風景などの自然を楽しむ人が多く、宿場風景、ウォーキング、と続いている。

 同会は今年3月、より魅力を高…

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら