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 台湾の陳水扁(チェンショイピエン)・元総統(68)が5日、台北市内で開かれた回顧録出版の発表会に出席し、あいさつした。収賄などで有罪判決を受けた後、自宅での病気治療を理由に保釈されているなか、異例の活動だ。神経機能に異常があるとされている病状について、聴衆の前で右手を差し出し、「手の震えは仮病ではない」などと訴えた。

 陳氏は、2015年に保釈された。対外的な活動はその都度申請し、「舞台に立たない」「政治を語らない」などと制限されている。今回、当局から特別に許可を受けると、杖を手に会場に現れ、舞台の下に並べた椅子に座ってマイクを握った。

 回顧録は、陳氏が総統になる前に市長を務めた台北市の文書館が口述筆記でまとめた。発表会には、現市長の柯文哲(コーウェンチョー)氏が同席。来年の総統選に出馬意欲があるとみられている柯氏について、陳氏は「私は市長時代、台北市役所の建物から総統府を眺めていた。柯氏も同じだろう」と語った。

 陳氏は、00年の総統選に、当時は野党だった民進党から出馬し当選。台湾に初の政権交代をもたらした。08年の退任後に摘発され、用地買収をめぐる収賄などで懲役20年の判決を受けた。(台北=西本秀