元稀勢、亡き先代との日々を思う 戻りたい?「いやあ」
鈴木健輔
東京・国技館の相撲博物館で、元横綱稀勢の里(荒磯親方)の特別展が開かれている。化粧まわしや着物、現役最後に締めた横綱など思い出の品々が並ぶ館内を、先月下旬、荒磯親方が内覧した。ふと、見入った写真がある。
「これ、よく覚えていますよ」。2004年夏場所、新十両昇進が決まった日の1枚。金びょうぶの前で、後に稀勢の里を名乗る萩原が先代師匠である元鳴戸親方(元横綱隆の里)と握手を交わしている。萩原の表情は少し硬い。「この後、桜の木の前で写真を撮りました。いま思い出しても緊張しますね」
直前の春場所、東幕下筆頭で…