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 長くアフリカ経済を引っ張ってきた南アフリカで8日、総選挙(下院、定数400、任期5年)が実施された。数日後には開票結果が判明する見通し。直近の世論調査によると、アパルトヘイト(人種隔離)政策廃止後、25年にわたって政権の座にある与党アフリカ民族会議(ANC)が今回も過半数を維持するとみられている。

 投票開始直後の午前7時過ぎ、行政首都プレトリアにある投票所に来た無職のヨハン・アルバートさん(61)は「政治家の汚職を撲滅し、雇用を増やして欲しい」と訴えた。選挙戦では、汚職撲滅や低迷が続く経済の再生のほか、人口の10%に満たない白人が7割超の土地を所有するといった根強い人種間の経済格差の問題が争点になった。

 失業率が5割を超える黒人の若者から支持を集める第2野党・経済的解放の闘士(EFF)は、前回選挙からの得票数の上乗せを見込んでいる。党内に派閥争いを抱えるANCのラマポーザ大統領にとっては、前回選挙と同様の約6割の得票率を取れるかが焦点になっている。

黒人の失業率、白人の4倍

 南アフリカではアパルトヘイト政策の廃絶後、黒人主体のANCが25年にわたって政権を握る。だが、白人と黒人の経済的状況は「平等」とはほど遠く、その是正が大きな課題だ。

 最大都市ヨハネスブルクのスタジアムで5日に開かれたANCの選挙集会。集まった約6万人の支持者の大半が黒人だった。溶接工のアンドレス・イカさん(35)は「雇用を増やし、経済を再生して欲しい」と深刻な表情を見せた。

 昨年の黒人の失業率は約30%で、白人の約4倍。ANCはこれまで、企業の採用で黒人を優遇する制度を設けるなどしてきたが、世帯年収は2014~15年の調査で黒人が約9万3千ランド(約71万円)にとどまり、約44万ランドの白人家庭の4分の1にも満たない。

 人種間の格差を生む大きな理由の一つは、少数派の白人が手にしたままの土地を巡る「既得権益」だ。南アフリカではアパルトヘイト政策の名残で、現在も全人口の10%に満たない白人が7割超の土地を所有している。今回の選挙の争点にもなっている。

 昨年2月に就任したラマポーザ大統領は「不平等を是正する」とし、白人の土地を補償金なしで接収し、黒人に再配分する意向を表明。白人を支持基盤にする最大野党・民主同盟(DA)は慎重な姿勢を見せる。一方、黒人の若者から支持を集める第2野党・経済的解放の闘士(EFF)はANCより強硬で、「即時の実施」を要求している。

■「白人の力は…

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