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 イランは8日、核合意の履行を一部停止すると表明した。トランプ米政権のイラン敵視政策で経済的に追い込まれ、「国際社会との約束をほごにするのも辞さない」と揺さぶる狙いだ。だが、トランプ政権は空母を中東に派遣するなどイランに対する軍事圧力を強め、緊張が高まっている。欧州諸国は合意維持をめざすが、米国の制裁を恐れ、現時点では手詰まりだ。

 「我々は1年待ったが、何も得られず、我慢の限界が来た」

 イランのロハニ大統領は8日のテレビ演説でこう語り、核合意維持を模索してきた英仏独などを牽制(けんせい)した。昨年5月に一方的に核合意から離脱した米国の制裁の影響で経済が低迷。外国企業との取引が難しくなり、核開発を制限した経済的な見返りが得られないことに業を煮やした形だ。

 ロハニ師が履行の一部停止を発表したのは、米国が昨年、合意から離脱した同じ日付だった。イラン政府関係者は「国際社会からの批判を最小限にするために1年待ち、象徴的な日を選んだ」と説明する。

 ロハニ師は、2015年に結ばれた核合意を最大の外交成果として対外融和路線を掲げ、欧州などとの取引拡大を通じた経済成長を目指してきた。

 だが、核合意で制裁が解除されてからも、若年層の失業率は25%前後で高止まりし、過去の経済制裁の打撃から回復できずにいた。

 それでもロハニ師は、対立する反米を基調とする保守強硬派からの批判を受けながらも、核合意の重要性を強調してきた。だが、昨年8月以降のトランプ米政権の相次ぐ制裁発動で、国内経済はさらに悪化。現地通貨の急落や物価高などが起き、経済的苦境はさらに深まった。

 2日には、イランの国家歳入の約6割を占めるとされる原油の米国による全面禁輸措置も開始。現地通貨は対米ドルで昨年4月より4分の1近くにまで下落し、イラン国内でのインフレ率は40%近いともされ、国際通貨基金(IMF)は19年のイランの国内総生産(GDP)の実質成長率をマイナス6%と予測し、経済が好転する兆しはない。

 核合意に残留する意義や利益を…

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