【動画】弁護士劇団ななころびのコント「ネットオークション」(タイトルコール・西村久美子弁護士)
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 スーツをビシッと決めて法廷に立つ。そんなお堅いイメージの弁護士ですが、お笑いの「聖地」大阪に弁護士自らコントを演じる劇団があるのをご存じでしょうか? 「弁護士劇団ななころび」。身近な法律問題をテーマに演じたコント動画が公開されています。

 大阪市北区にある大阪弁護士会館の会議室。スーツにネクタイ姿の男性が、向かい側に座る2人に語りかけています。弁護士が訴訟に向けた打ち合わせをしているのでしょうか。いや、ちょっと様子が違うようです。

「新喜劇みたいな感じでね」

 「『お届けに上がりました~。出品者でーす!』って、吉本新喜劇みたいな感じでね」

 熱心に演技指導していたのは、「弁護士劇団ななころび」座長の小林寛治弁護士(47)。残る2人は、劇団所属の「俳優」の弁護士たちです。

 小林弁護士によると、「ななころび」は大阪弁護士会のイベントで寸劇を演じていた弁護士有志が、10年ほど前から常設の劇団を名乗るようになったとのこと。小林弁護士は2代目座長だそうです。

 小林弁護士自身、演劇の経験はゼロだったのですが、今では脚本・演出を手がけるかたわら出演もこなすように。知人の役者と出場した若手漫才の日本一決定戦「M―1グランプリ」で2回戦進出、ひとり芸のチャンピオンを決める「Rー1ぐらんぷり」でも3回戦進出を果たすほどの「名優」になりました。

普段は講演前に上演

 「幽霊団員含めて十数人程度の、ゆるーい素人演劇集団」(小林弁護士)ですが、遺言や相続、交通事故、中小企業支援など法律問題にからめた演劇を上演した後に講演や法律相談を行っています。弁護士会のイベントだけでなく、自治体や社会福祉協議会などからも出演オファーを受けるそうです。

 その「ななころび」にコントを演じてもらい、身近な法律問題をわかりやすく解説できないか。朝日新聞は劇団に加え、約4600人の会員が所属する大阪弁護士会の協力と監修のもと、コント動画パートと、弁護士が疑問に答えるQ&Aパートからなるコンテンツを制作しました。

ももクロ愛する悪徳出品者!?

 その名も「ほうほう弁護士劇場」。複雑な法律問題を面白く、わかりやすく解説して、読者に「ほう!」と納得していただけるコーナーを目指したいという思いを込めています。

 第1回のコントは、ネットオークションをめぐるトラブルがテーマ。「ノークレーム・ノーリターン」で購入した中古バッグを購入したらとんでもない欠陥が――という設定です。

 いかにもインチキそうな出品者を演じるのは原英彰弁護士(35)。「劇団の専属俳優で、兼業として弁護士」と語る原弁護士は劇団ではチンピラ役が中心ですが、「『おもしろくてためになる』学習漫画のような存在を目指します」と優等生のコメント。人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の熱烈なファンで、動画収録後しばらく後にあったプロフィル写真の撮影では、野外ライブで日焼けした姿で現れました。

 そして、出品者にまんまとだまされてしまう落札者役を演じたのは廣石佑志弁護士(40)。弁護士になる前は民間企業や大阪市役所に勤務し、中小企業診断士でもあるという一風変わったキャリアの持ち主です。こちらは自称「準幽霊団員」で、気が向いて時間がある時だけ役者活動をするとのこと。ちなみに放送開始から今年で40周年を迎えるアニメ「機動戦士ガンダム」シリーズをこよなく愛し、好きなキャラは「Z(ゼータ)ガンダム」に登場するクワトロ・バジーナだそうです。

 2人だけのコントですが、多忙を極める弁護士だけに稽古のスケジュールを合わせるだけでも一苦労です。稽古ができたのはわずか4回。最初はセリフを忘れたり、朝日新聞の編集者から「これってコントですよね? もっとテンション上げないと」とハッパをかけられたりと散々で、普段は落ち着き払った「先生」もタジタジでした。

笑って、ためになって

 でもさすが弁護士というべきでしょうか、収録の「期日(裁判所で公判や協議などが指定された日付のこと)」が迫ってようやく本気スイッチが入りました。収録本番では、立ち会った大阪弁護士会や朝日新聞の担当者らも納得の演技を披露してくれました。「動画がきっかけで法律問題に関心を持ってもらえるとうれしい」と廣石弁護士。コメントは最後まで堅さが残りましたが……。

 じつは、動画パート冒頭のタイトルコールも弁護士です。大阪弁護士会広報室の西村久美子弁護士(36)。台本制作の打ち合わせや稽古日程の調整、収録会場の手配までこなす「縁の下の力持ち」が、大好きだというカラオケで鍛えた美声を披露してくれました。

 ほうほう弁護士劇場は身近な法律問題をテーマに、月1回ほどのペースで公開予定。法律問題を知るだけでなく、弁護士による体当たりの熱演で大いに笑っていただきたいです。(平賀拓哉)