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 文部科学省は9日、全国の学校の教員らに向けた「虐待対応の手引き」を公表した。千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(10)が今年1月に死亡した事件を受けての緊急対策の一環で、子どもの観察の仕方から必要に応じて児童相談所に通告し、その後の対応までの流れを整理している。

 手引には、虐待リスクのある子の特徴をチェックできるシートが盛り込まれた。「季節にそぐわない服装をしている」「食べ物への執着が強い」「虫歯の治療が行われていない」など、児童生徒の様子については31項目あり、保護者の様子や家族・家庭の状況も計23項目ある。健康診断の結果や水泳で着替えをする際などに体をチェックし、発言内容も記録して残す大切さなども指摘している。

 確証がなくても疑いがあれば児相に通告することを促し、「誤っていても学校側の責任は問われない」と明記。虐待リスクの高い子は、理由を問わず7日以上欠席した場合に情報提供するよう求めた。威圧的な態度をとる保護者にも「ひるまず毅然(きぜん)とした対応をすることが重要」と記した。

 手引はA4サイズで37ページ。学校側の負担を考慮し、当初は数ページの簡易版も検討されたが、必要な要素を入れた結果、分厚くなってしまったという。文科省は「作って終わりではなく研修や会議などで周知徹底したい」としている。(矢島大輔)

虐待リスクのチェック項目の例(文科省作成の手引から)

《子どもの様子》

・ボーッとしている、急に気力がなくなる

・大人に対して反抗的、暴言を吐く

・担任に用事がなくても近づいてこようとするなど、過度のスキンシップを求める

・体や衣服に不潔感がある

・食べ物への執着が強く、過度に食べる

・季節にそぐわない服装をしている

・虫歯の治療が行われていない

・保護者の顔色をうかがう

・理由がはっきりしない欠席・遅刻・早退が多い

《保護者の様子》

・きょうだいで服装や持ち物などに差がみられる

・被害者意識が強く、事実と異なった思い込みがある

・学校行事への不参加、連絡を取ることが困難

《家族・家庭の状況》

・理由のわからない頻繁な転居がある

・近隣とのつきあいを拒否する