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 年間の交通事故死者が16年連続でワーストの愛知県。愛知県警では、車種を割り出したり、事故状況を分析したりと、交通関係の映像解析が急増している。「あおり運転」対策に、ドライブレコーダーが急速に普及したことも背景にあるようだ。事件解決を支える担当捜査員の技を見せてもらった。

解析で浮かび上がる容疑者の車体

 県警本部2階の交通捜査課。奥に液晶画面やパソコンが並んだ小部屋がある。担当捜査員の山縣薫さん(33)が、昨年解析した映像を見せてくれた。

 夜の大通り。客を乗せようと止まったタクシーの車内外の映像だ。突然、ガラス越しに黒い車が近づき、追突。「大丈夫ですか」。運転手が客と話すすきに、車はタクシーの脇をすり抜けて走り去った。

 客は手を骨折する大けが。ナンバーは映っていない。誰の車なのか。映像から車種を調べるのが山縣さんの仕事だ。編集ソフトで明るさや色調を変えると、暗闇に紛れていた大きな黒い車の輪郭がはっきりした。

 上部が少し曲がった後部ランプ、やや下についたナンバー……。山縣さんは、記者が気づかなかった七つの細かい特徴を指摘。隣室で保管している車のカタログを使って、車種の特定を始めた。「縦長の後部ランプは日本車ではあまりみられない」。山縣さんが外国車のカタログを手に取ると、複数の特徴が外国メーカーが一時期販売していたSUV(スポーツ用多目的車)と合致した。

 車は同じ車種でも製造時期などにより微妙な違いがあり、絞り込みの手がかりになる。県警では1977年ごろから国内で流通した日本車、外国車全てのカタログを蓄積し、車種を照らし合わせる資料にしている。歴代捜査員がこまめに新車情報を調べ、販売店を回って集めてきたという。昨年の捜査では、山縣さんの報告をもとにSUVの登録情報を調べ、浮上した容疑者が検挙された。

 映像解析の担当は2人。高校生の頃から大のクルマ好きという山縣さんは「映像しか手がかりがない場合はプレッシャーが大きいですが、現場から『当たりました』と連絡が来るときはうれしい」という。休日もドライブ中にすれ違う車をみて感覚を育てる。

 昨年、愛知県では189人が交通事故で死亡。ひき逃げで命を落とす人もいる。「死者は話せない。わかりませんでしたとは言いたくないです」

■速度、車間測定も 映像の重要…

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