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 ワインの普及につれ、日本でも国産ワインをつくるワイナリーが増えている。最近では、郊外のブドウ畑のそばだけでなく都会の真ん中にも登場するようになってきた。

 日本のワイナリーの数は年々増えており、2016年の280から18年には303になっている。その多くはブドウの産地のそばにあり、一般的に交通の便は良くない。お酒を楽しむ施設のため、一人でふらっと車を運転してというのも難しい。そこで、5年ほど前からワイナリー側が消費者の多い都市部にブドウを持ち込んで、進出する例が出てきた。

 大阪府豊中市の「大阪エアポートワイナリー」はその一例。名前の通り大阪(伊丹)空港のビルにあり、旅行者だけでなく誰でも入れる。併設するワインバルからは、五つの醸造タンクの中のワインを担当者がかき混ぜたり、検査したりといった作業の様子をガラス越しに見ることができる。バルでワインを楽しんでいた東京都の会社員女性(54)は「郊外のワイナリーまでは行かないけど、ここなら空港を使うときに早めに来れば立ち寄れるのでありがたい」と話していた。

 東京都練馬区の住宅街で14年にオープンした「東京ワイナリー」は、醸造から販売までを約70平方メートルの敷地の中でこなす。東京都内で生産されたブドウも使いつつ、地元産の野菜と合うワインをつくっている。「手作り感」や「地産地消」がこだわりだ。

 横浜市中区、山下公園近くの海沿いにあるのは「横濱(よこはま)ワイナリー」。濾過(ろか)せずにブドウのうまみを残すよう仕上げた「ハマワイン」を生産している。ワイン造りの体験ができるイベントなど、立地をいかした消費者参加型の取り組みも数多く実施している。(金本有加)

 伊丹空港内の「大阪エアポートワイナリー」は、面積21・7平方メートルの「日本一小さい醸造所」として昨春オープン。日本産の「甲州」など時期に適した産地や品種のブドウを集め、年間を通して作り続けている。航空チケットをモチーフにした瓶詰ワインは税別2800円。(知っとこ!DATA)