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 ニューヨークの国連本部で開かれていた核不拡散条約(NPT)の第3回準備委員会は10日、来年の同条約の再検討会議の指針となる「勧告」を採択できないまま、閉幕した。核軍縮を強く求める内容の勧告案に核保有国が反発し、勧告に必要な全会一致に至らなかった。

 勧告案は、議長を務めたマレーシアのサイード国連大使が9日に各国に提示。3日に出された当初の草案に、「条約に基づいた核軍縮構造が損なわれていることへの懸念の表明」「核兵器を禁止する法的拘束力のある規範の必要性の認識」などの文言が加わった。核兵器禁止条約推進国は歓迎したが、核保有国からは批判の声が相次いだ。

 10日間の会合では、核保有国と非核保有国との主張の違いが目立ったほか、緊張関係が続く米国とロシア、核合意離脱で対立する米国とイランが衝突した。加盟国が協力して妥協点を見いだすことはできなかった。

 5年に1度の再検討会議では、NPT体制の維持、強化のための「最終文書」を全会一致で採択することをめざす。前回2015年は採択できず、発効50年となる来年もできなければ、NPTの軽視や体制の弱体化につながりかねない。(ニューヨーク=藤原学思)