戦前の竹島アシカ猟、貴重な写真発見 朝日記者が撮影
日本海の孤島「竹島」で戦前に盛んだったアシカ猟の様子をとらえた写真が、朝日新聞大阪本社に保存されていた。1934年6月、島根県・隠岐の島の漁師らに同行ルポした際に撮影された計13枚。研究者は当時の生業を伝える貴重な記録と評価している。
本社が所蔵する総計200万枚に及ぶプリント写真のデジタル化を進める作業の過程で見つかった。2017年には、戦前の沖縄で撮影されたネガ277コマも見つかっている。
大阪本社の資料室に各種の資料写真を収めた「図鑑」という箱があり、動物の写真が入った45の封筒のうち、アザラシ、アルマジロ、イルカなどと並んで「あしか狩 リャンコ島」と書かれた封筒があった。1849年にフランスの捕鯨船が「リアンクール岩礁」と名付けた故事にちなみ、山陰地方の漁師は竹島をリャンコ島とも呼んでいた。
写真はその裏書きから、大阪朝日が1934年6月28日~7月8日に掲載した計11回の連載「日本海のアシカ狩(がり)」の取材時のものとわかった。紙面では計20枚が使われているが、見つかった13枚のうち7枚は紙面に掲載された写真で、うち1枚は記者が77年に贈呈先の関係者宅を訪れて接写したものだった。残る6枚は未掲載のものだった。紙面には載ったが、見つからなかった13枚は掲載後に取材先へ進呈されたとみられる。
記事後半では、大阪朝日新聞で連載された「日本海のアシカ狩」で記者らが竹島でテントを張って寝泊まりし、壮絶な猟の様子を描いたルポの概要や、専門家ら関係者の受け止めをご覧いただけます
■同行ルポ、10日間のテント…