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(12日、大相撲夏場所初日)

 国技館の観衆は、他の関取とは一段違う大きな歓声と拍手を、22歳に送った。新大関の貴景勝だ。懸賞は結びの36本を上回り、この日最多の41本。新時代の主役を強く印象づけた。

 遠藤との一番は、らしさ満点。立ち合いで自分より低く来た相手を起こし、2度、3度の押しで遠藤の体を宙に浮かせた。八角理事長(元横綱北勝海)も「自分のペースに持ち込んでいる。良い相撲だ」。余裕で乗り切ったようにも見えた初日。だが支度部屋で思わぬトラブルを明かした。

 花道で待機中に鼻をかむと出血した。最近、稽古場でもたびたび鼻血が出ていたが、「ここまで止まらなかったのは初めて」。常に自身の万全な状態にこだわる貴景勝にとっては、大きな「敵」。土俵上でも鼻をすすり続け、平静につとめた。「悪い方に出るとしたら、初日が危ないかなと思っていた」。表情には安堵(あんど)感がにじんだ。

 昇進行事やイベントへの出席で調整も難しいと言われる新大関。平成以降に昇進した25人のうち、デビュー場所で優勝したのは栃東と白鵬の2人しかいない。「ここまできたら調子が悪くても関係ない」。ぶれない男は「15日間には1日1日壁がある。それを一枚一枚壊していく」と言った。

 昇進が決まってすぐ、「上の番付(横綱)を目指す」と公言した。白鵬が休場する令和初の本場所で、平成に活躍した先輩を追い越し、新時代を築く。(松本龍三郎)

新入幕の小兵、炎鵬が初日に白星

 新入幕の小兵、炎鵬が初日に白星を挙げた。86キロ重い徳勝龍に追い込まれたが、左ですくってうまく体を入れ替え寄り切った。関取最軽量、99キロの身のこなしが生きた取組に会場は大盛り上がり。炎鵬は「とりあえずホッとした。歓声も十両の倍以上違った」。観戦に訪れた母に懸賞を渡し「親孝行できたかな」。記憶に残る母の日になった。

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