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大分・FW藤本憲明

(12日、Jリーグ 大分1-0湘南)

 湘南の激しいプレッシャーにさらされ続けた劣勢の試合を、1発で救った。

 「味方が困った時に助ける動き出しをしろ」。ハーフタイムに受けた指示をすぐに実行した。

 後半7分、DFの視野から消えるように背後に走り込んでパスを引き出す。1人目のDFに体をぶつけて倒し、飛び込んできた2人目を切り返しで外した。

 最後はステップを踏み直して、GKの届かない右上隅に流し込む。駆け引き、対人の強さに冷静さ。点取り屋の才能が詰まった決勝点を「相手も見えていたので、シュートまでどう持ち込むかを考えられた」。直後に「2点目を取ろう」と味方に声をかけた。気持ちの切り替えの速さもストライカー向きの能力だ。

 青森山田高、近大と進み、JFLで4年を過ごした。2016年、17年はJ3鹿児島で連続得点王。初めてのJ1でも、5戦ぶりの7点目で得点ランク首位に並んだ。

 A代表入りかと周囲は騒ぐが、「勝ち点3だけを狙って、その積み重ねの先に代表があるのかどうか」。29歳に浮つく様子はない。(編集委員・潮智史