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 プロ野球オリックスのT―岡田が8日、日本ハム戦(札幌ドーム)で元チームメートの金子弌大(ちひろ)から安打を放ち、通算1千安打を達成した。その2日後、札幌から神戸に移動した31歳に、粋なプレゼントが届いていた。

 「祝1000安打」の文字とともに、送り主の名前が入ったカードが添えられた大きな花束。ヒマワリやユリが咲き誇る鮮やかなそれは、ヤクルトの近藤一樹(35)、大引啓次(34)、坂口智隆(34)から贈られたものだった。かつてオリックスでプレーしていた先輩からのサプライズに「気にかけてくれているのが伝わった。うれしい」と少し照れくさそうだった。

 大阪・履正社高から2005年秋の高校生ドラフト1巡目で入団したT―岡田にとって、3人は年の近い先輩だった。特に坂口、大引の野手2人は、身近なお手本。「1軍というものを教えてくれた。自分がミスをした時とか、よくご飯に連れていってくれた」という。「友達みたいな、いい先輩」。連絡がご無沙汰だった中でのプレゼントが、とてもうれしかったのだろう。11日の試合後、小さい花束に分けて丁寧に持ち帰っていた。

 今季は、1千安打まであと4本で開幕を迎えた。開幕戦こそ右前打を放ったが、その後はバットが湿った。打率0割6分3厘まで下がり、4月10日に登録抹消。2軍で「ボールを呼び込んで打つ」ことを意識して状態を上げ、5月から1軍に戻ってきた。

 10年に本塁打王を獲得してブレーク、17年にも31本塁打を放ったが、故障もあって好不調の波が激しく、目立つ活躍はできていない。刺激になっているのは、あの3人だ。

 大引は13年から日本ハムに移籍し、15年にヤクルトへ。近藤と坂口は16年からヤクルトでプレーする。セ・リーグ2位に躍進した昨季、最優秀中継ぎ投手になった近藤、1番打者として打線を牽引(けんいん)した坂口、代打を中心にキャリアハイの打率を残した大引。いずれもトレードや自由契約を乗り越え、ベテランの域に達しながらも躍動する先輩がまぶしかった。

 「自分もまだまだ負けてられないです」。14年には、近藤、坂口とともにシーズン2位も経験した左の大砲。花束は、不振にもがく後輩への激励になったのかもしれない。受け取った10日には、40打席目にして今季1号も飛び出した。チームはいまだ最下位だが、若手主体のなか、31歳の復調に期待したい。(大坂尚子)