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 韓国南東部の古都、慶州に日本人のおばあさんたちが暮らす福祉施設がある。「ナザレ園」。開設から半世紀近い歳月が流れ、みな90代半ばになった。過酷な境遇を生き、異国で支え合いながら静かに余生を送る女性たち。望郷の念が募る。

 新羅時代の都、慶州。ナザレ園は、日本人観光客もよく訪れる仏国寺に近い田園地帯にある。

 日本人の女性9人が暮らす。日本の植民地だった朝鮮半島出身の男性と結婚した人たちだ。平均年齢95歳、最高齢は98歳。ほぼ半数が入院中や寝たきりで、元気な人は4人だけだ。

 園は1972年、キリスト教徒で社会事業家の故金龍成(キムヨンソン)さんらがつくった。きっかけは、韓国の刑務所に窃盗や放火の罪で服役していた日本人妻2人の存在を知ったこと。女性たちが釈放されると、金さんは「貧しさゆえに罪を犯した」と身元を引き受けて面倒をみた。当時は反日感情が激しく、「なぜ日本人の施設をつくるのか」と抗議されたこともあったという。

 厳しい境遇の妻も多かった。夫が朝鮮戦争で徴兵されて戦死したり、極貧のあまり山の洞窟に住んだりした女性もいた。日本で結婚し韓国に渡ったら本妻がいた、ということもあった。金さんは「女性に罪があるとすれば、韓国の青年を愛したことだけだ」といつも話していたという。

 ナザレ園は当初、日本へ帰国す…

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