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 中東の過激派組織「イスラム国」(IS)が、インドに「州」の設立を主張した。10日に声明を出し、インド軍を攻撃したとも明らかにした。ISは先月29日に、約5年ぶりに最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者だとする動画を公開したばかり。組織の衰退が進むなか、インドでの「支配領域」の保持を宣言し、影響力を誇示する狙いがあるとみられる。

 ISは声明で、インドを「ヒンド州」と表現。北部のカシミール州でISの戦闘員がインドの「背教者の軍」と交戦し、殺害、負傷させたとしている。ロイター通信によると、インドでの「支配領域」の主張は初めてだが、具体的な地域や、実際に組織化されているかは不透明だ。

 インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方にはイスラム教徒が多く、武装組織の活動も確認されている。また、インドでは近年、当局がIS支持者らを逮捕する事案が起きている。先月には、隣国のスリランカでIS支持者による連続爆破テロ事件が起きて250人以上が犠牲になった。

 最盛期にイラクとシリアの3分の1を支配したISだが、米国主導の有志連合による空爆などで急激に衰退。今年3月にはトランプ米大統領が「勝利宣言」し、すべての「領土」を失った。ISはこれまで、アフガニスタンやパキスタンにまたがる地域で「ホラサン州」を保持していると主張。エジプトでは、東部シナイ半島で「シナイ州」を名乗る組織が政府に対する攻撃を続けている。(ドバイ=高野裕介)