[PR]

 千葉県船橋市のマンションで、業者を名乗る男がオートロックを不正に解錠して共有スペースに侵入し、住民の男性が暴行される事件があった。千葉県警船橋署は傷害事件として捜査。専門家は珍しい手口だとしており、注意を呼びかけている。

 被害を受けた男性(48)によると、事件が起きたのは3月3日、日曜日の午後5時ごろ。自宅で妻とくつろいでいると、オートロックの呼び出し音が鳴った。画面には作業服を着た30代くらいの男が映っており、「風呂場の点検をしに来た」と説明された。応答していると、会話の途中で画面が突然消えた。不審に思って自宅玄関の外に出ると、エレベーターから出てきた男と鉢合わせに。男性は、オートロックを解錠した覚えはなかった。

 男は男性を見るなり、「なんで突然(インターホンを)切ったんだ」「これまでに何度も来ているのに」などと強い口調で詰め寄ってきた。男性が「切っていません」と言い返すと、男に胸ぐらをつかまれ、ほおを殴られた。「やめてくれ。警察を呼ぶぞ」と大声を出したが、男からさらに数発、顔を殴られた。男性は意識が遠のき、頭から床に倒れたという。

 室内にいた妻が異変に気付いて110番通報。外に出ると、男性が気絶していて、階段を駆け下りる男の足が見えたという。男性は脳振盪(のうしんとう)や顔面打撲などのけがを負った。

 男性は翌日、警察官らとともにマンションのエントランスに設置された防犯カメラの映像を確認。バインダーを持った男がインターホンを鳴らす様子が映っていた。男はその後、紙のようなものをオートロックの自動ドアの隙間に差し込み、動かした。すると、センサーが誤作動したのか、自動ドアが開いた。男は小走りで、エレベーターへ向かっていった――。

 元埼玉県警刑事で防犯コンサルタントの浅野真樹(まさき)さんによると、こうしたやり方で自動ドアに誤作動を起こさせる手口はめずらしいといい、「通り魔的な犯行は考えにくく、本人に覚えのないささいなトラブルへの逆恨みの場合もある」と分析。「業者などを名乗っても、安易に自室の鍵を開けず、のぞき窓などやインターホンの画面などで相手をよく確かめてから対応してほしい」と話した。

 船橋署によると、管内で同じ手口の事件は起きていないというが、「対応に困ったら、ためらわずにすぐ110番通報してほしい」としている。(松島研人)