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 来年1月の台湾総統選に向けて動向が注目されている台北市の柯文哲市長(59)が、総統選出馬を検討していることを明らかにした。外科医から市長に転じ、無所属政治家として支持を集める柯氏は「私の目的は2大政党に不満を抱く人々の受け皿になることだ」と述べた。

 朝日新聞のインタビューに14日、応じた。柯氏は、現与党の民進党と野党国民党のどちらにも属さない第3勢力と自らを位置づける。柯氏は「以前はほかの選択肢がなかった。私は新しい道を切り開いた。台湾では3回の政権交代があったが、どちらも代わり映えしない」と2大政党を批判。南部の高雄へ後援会活動を広げるなど総統選の準備を進めていると語った。

 一方、「準備はしているが、実際に行動に移すとは限らない」とも述べ、最終的には与野党候補の顔ぶれを見て判断するという。日本の歴史に詳しい柯氏は徳川家康の名前を挙げ、「戦国時代の武将で最後に勝ったのは、待つことのできた人物だ。辛抱強く、耐えて待ち構える」と語った。

 現職の蔡英文(ツァイインウェン)総統については、米国に接近して中国に対抗する「親米抗中」路線と批判。「米中対立の局面を個人や政党のために利用している。リスクが高い。私は『親米友中』で、米国側に立ちつつ中国とも良い関係を築きたい」と違いを強調した。

 ただ、統一を迫る中国が台湾への適用を検討する「一国二制度」については「香港で運用されている形なら、台湾人はみんな逃げてしまう」と、受け入れない姿勢を示した。

 柯氏は今月23日から日本を訪問。富山県で開かれる観光サミットへ参加するほか、東京で五輪関連施設、福島県や宮城県で被災地の復興状況を視察する。

 柯氏は、2030年のアジア大会を台北に誘致する構想を表明。「東京では五輪開催に向けた日本の経験を学びたい」と語った。被災地の視察については「台湾は日本と同じく地震など災害が多い。緊急時の対応やその後の復興について視察したい」と述べた。(台北=西本秀