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 日産自動車が14日発表した2019年3月期決算は、売上高が前年比3・2%減の11兆5742億円、本業のもうけを示す営業利益は44・6%減の3182億円、純利益は57・3%減の3191億円だった。カルロス・ゴーン前会長が進めた拡販戦略が行きづまり、世界販売の3割を占める米国事業が低迷したことが響いて大幅な減益を強いられた。

 同日発表した20年3月期の業績予想は、売上高が前年比2・4%減の11兆3千億円、本業のもうけを示す営業利益は27・7%減の2300億円、純利益は46・7%減の1700億円。収益の回復が遅れ、売上高は2年連続、営業利益は4年連続の減少となる見込みだ。

 日産はリーマン・ショックの影響で09年3月期に1379億円の営業赤字に転落したが、営業利益の水準は翌10年3月期以降で最も低い水準に落ち込む。業績不振から抜け出せない状況が続きそうだ。西川(さいかわ)広人社長兼CEO(最高経営責任者)は記者会見で「課題は山積しており、業績低迷からの脱却が最優先だ。相当無理な拡大をしてきたので、ここから先は着実に成長したい」と述べ、量を追うゴーン前会長の経営手法と決別し、質を重視する経営に移行する考えを強調した。

 19年3月期は1株あたり年間57円の配当を出すが、20年3月期は40円にする予定も発表した。減配は10年ぶり。日産は上場企業有数の高配当銘柄として知られるが、業績が低迷するなか、中長期的な成長を実現するには先端分野への研究開発などに資金を振り向ける必要があると判断し、株主還元を縮小する。

 23年3月期まで6年間の中期経営計画で掲げた目標も下方修正した。23年3月期の売上高を17年3月期比3・7兆円(約30%)増の16・5兆円、営業利益率を8%に引き上げる目標を掲げていたが、それぞれ14兆5千億円、6%台に引き下げた。ただ、20年3月期の営業利益率は2・0%に落ち込む見通しで、この目標も高いハードルとなる。

 仏ルノーが先月、日産に経営統合を提案したことについて、西川氏は「ネガティブなインパクトが大きい」と述べ、否定的な姿勢を改めて示した。(友田雄大)