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 中国・新疆ウイグル自治区のウイグル族らイスラム教徒の人権状況について、欧米やトルコは度々、中国政府を批判してきた。だが、近年は中国の経済力増大を受け、その舌鋒(ぜっぽう)は鈍りがちだ。被害を訴える人たちは国際社会に、現地の実態を知ってほしいと求めている。

中国マネー 批判及び腰に

 トルコ政府は2月、自国でウイグル族への同情論が広がったこともあり、「中国の組織的な同化政策は人類の恥」とする声明を発表した。トルコはウイグル族と民族・宗教的に近く、1950年代以降、数万人規模の亡命ウイグル族を受け入れてきた歴史がある。

 それでも、近年は中国が進めるシルクロード経済圏構想「一帯一路」など対中経済関係の深化を背景に、批判は低調だ。2月の声明も、エルドアン大統領や外相ではなく、外務省報道官名義にとどまった。

 トルコの東アジア政策に詳しいコチ大学のアルタイ・アトル講師は、「トルコのメッセージは『ウイグル族すべてがテロリストではない』ということだ。政府はウイグル問題で中国との関係を悪化させることは望んでいない」と指摘する。

 人権を重視してきた欧州でも事情は同じだ。欧州議会は昨年10月、新疆の拘束施設の即時閉鎖を中国に求める決議を採択した。だが、欧州連合の加盟国単独で中国と向き合う際には、難しい判断を迫られる。

 マクロン仏大統領が3月に訪仏した習近平(シーチンピン)国家主席と会談した際、パリ中心部ではチベットやウイグルの人々が集まり、ウイグル族の救済を求めてデモ行進。首脳会談でウイグル問題を取り上げるよう迫った。

 マクロン氏は習氏との共同宣言で「中国での基本的人権の尊重に、フランスと欧州が懸念」を抱いていると指摘。一方で、ウイグルやチベット問題には直接言及せず、「いくつかの個別の(人権問題の)事例を取り上げた」と述べるにとどめた。この会談では、中国側が仏エアバスの航空機300機を購入するなど、計400億ユーロ(約5兆円)以上の契約が締結された。

 批判の矛先が鈍る各国に対し、米国の姿勢は突出する。米国は中国をロシアとともに「競争国」と位置づけ、経済・軍事に加え、人権問題でも厳しく対峙(たいじ)する姿勢を見せる。とくにウイグル問題では、党派を超えた対中批判が特徴だ。

 米政府は3月、2018年の「人権報告書」で、中国がウイグル族ら国内のイスラム教徒を「収容所で虐待、拷問、殺害している」と厳しく非難。ポンペオ国務長官は同月下旬、新疆での拘束経験を告発したウイグル族女性らと面会後、ツイッターへの投稿で「恣意(しい)的に拘束されているすべての人を釈放するよう中国に求める」と訴えた。

■毎朝「共産党たたえ…

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