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 12億人の信者を抱えるローマ・カトリック教会のトップ、フランシスコ法王(82)が世界を飛び回っている。紛争や人権問題の現場に直接赴いて解決を促す独自のスタイルを貫く。11月には日本を訪問する予定だ。(ソフィア=河原田慎一)

 フランシスコ法王は5月、ブルガリアと北マケドニアを訪問した。

 カトリックが支援するブルガリア国内の難民受け入れ施設では、シリアやイラクの難民と交流した。ブルガリアはトルコと国境を接し、難民が欧州を目指すルートになっている。

 法王は首都ソフィアに到着後最初の演説で、大統領らを前に「ブルガリアは東西の架け橋であり、戦火を逃れて国境を越えようとする人に向き合ってきた国だ。扉をたたく人に目を閉じないで」と語りかけた。トルコ国境の一部に壁を設け、難民の流入を防ごうとしていることへの苦言と受け止められる発言だった。

 ブルガリアのザハリエバ外相は、その日のテレビ番組のインタビューで「誰でも自由に入国を認めるべきだ、という意味の発言ではないと思う。国境で難民申請をしてほしいのが政府の立場だ」と釈明した。

 フランシスコ法王は南米アルゼンチンの出身。昔から教会で信者の話を聴くだけでは飽き足らず、積極的に外に出ていたという。ブルガリアでも、ミサ参加者の歓迎を受けると満面の笑みで手を振り、会場では障害のある人や子供に歩み寄って話し込んだ。子供への性的虐待問題などでカトリック教会内部が揺れる中、フットワークの軽さと気さくさが多くの信者に支持されている。

 法王は宗教家でありながらバチカンの国家元首でもある。世界中にある紛争や人権問題で弱者の声に耳を傾けつつ、訪問先の政府に直言できる「二つの顔」を持った特異な存在だ。

 フランシスコ法王は、イスラム教など異なる宗教の指導者との交流にも力を入れている。バチカン関係者は「フランシスコ法王ならではの徹底した現場主義だ」と言う。「法王は宗教家なので、『お互い自分にしかできないことをやっていきましょう』と言って、解決を直接促せる」

 もともとローマ法王がバチカンを離れることはまれだった。故パウロ6世が1964年にイスラエルなどを訪れて以来、外国を訪問するようになった。故ヨハネ・パウロ2世は81年の日本を含め26年の在位中に104回、外国を訪問。「空飛ぶ聖座」と呼ばれた。

 フランシスコ法王は頻度でそれを上回る。2013年の就任後、ブルガリアは29回目の外遊だった。人権問題を抱える国や地域を訪問先に選ぶことにも積極的だ。一昨年にはロヒンギャ難民で揺れるミャンマーとバングラデシュを訪れた。今年2月にはローマ法王として初めてアラビア半島に行き、アラブ首長国連邦で大規模なミサを開いた。

■日本に思い入れ 11月…

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