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 アフリカ西部ブルキナファソで、武装勢力による襲撃や外国人を狙った拉致事件が相次いでいる。過激派組織「イスラム国」(IS)とのつながりが指摘される勢力もおり、治安の悪化が懸念されている。

 AFP通信などによると、同国北部の二つのキリスト教会では先月28日と今月12日、武装した男たちが銃を乱射する事件が起き、少なくとも計12人が亡くなった。13日にも北部の街でキリスト教徒が襲われ、4人が死亡。政府は「テロリスト集団は我々を分断する目的で、宗教を標的にしている」との声明を出した。

 また、隣国ベナンとの国境沿いにある国立公園では、今年に入ってフランス人観光客2人が武装勢力に拉致された。今月9~10日に仏特殊部隊が救出作戦を実施。この2人のほか、以前から拉致されていたとみられる米国人と韓国人の女性も助け出されたが、作戦中に隊員2人が銃撃戦で犠牲になった。

 いずれの事件も、武装勢力の目的や規模は分かっていないが、イスラム系の集団とみられる。イスラム教徒が多いブルキナファソではここ数年、国際テロ組織アルカイダやISに忠誠を誓う勢力が台頭しているからだ。AFP通信によると、2015年以降に約400人が殺された。

 背景にあるのが、2011年にリビアのカダフィ政権が崩壊し、大量の武器が周辺国に流出したことだ。また、隣国マリでアルカイダやISに忠誠を誓う勢力がブルキナファソへ活動範囲を拡大しているとの見方も出ている。

 昨年3月に同国の首都ワガドゥグにある軍本部とフランス大使館が襲撃され、兵士ら8人が死亡した事件では、マリを拠点にし、アルカイダ系とされる過激派「イスラムとムスリムの支援団(JNIM)」が犯行声明を出した。

 ISも4月29日、最高指導者のアブバクル・バグダディ容疑者だとする動画を公開し、ブルキナファソやマリの勢力を称賛した。

 マリのドゥラメ外相は14日、ベルギーで欧州諸国の外相らと会談した後、「我々は支援を必要としている」と国際社会の支援を求めた。(石原孝