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 人気のパン店でも売れ残りは生じる。それらを割安に売ることで、廃棄分を減らそうと取り組むパン専門の通販サイトがある。パン好きにもパン店にもありがたいサービスを編み出したのは、横浜市鶴見区出身の斉藤優也さん(27)が共同代表を務めるベンチャー企業「クアッガ」(東京都中野区)だ。

 このサイトは昨年12月に正式オープンした「rebake(リベイク)」(https://rebake.me/別ウインドウで開きます)。神奈川県内の「boulangerie(ブーランジェリー) onni(オンニ)」(横浜市港南区)や「アルテの食パン」(川崎市麻生区)など4店舗をはじめ、北海道から沖縄まで全国約50店舗の人気のパンをお取り寄せできる。

 最大の特徴は、通常のパンだけでなく、作りすぎや天候の影響などで売れ残ったパンを、まとめて安く買えることだ。それらは「ロスパン」と表示され、希望する店舗が数種類をセットにして2千~3千円ほどで売っている。購入は予約制で、売れ残りが発生し次第、先着順に届けられる。「中くらいの段ボール一箱分が届く。割安度は店舗ごとに異なるが、かなりお得」と斉藤さんは話す。

 店側にもメリットがある。「オンニ」を経営する近賀(きんが)健太郎さん(38)は「天気が悪くて売れ行きが悪そうな日でも、来店してくれるお客様のために一通りの種類を焼かないといけない。その日に焼いた一番おいしいパンを食べてほしいのでどうしても廃棄は出てしまう」と話す。販売代金の一部はサイト側の手数料となるが、「受注や代金回収の手間を省けるので納得している」。

 斉藤さんは大学院で生態学や有機農業を学び、まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」への関心を深めた。修了後、農業ベンチャーに1年間勤めた後、この問題に取り組もうと昨年8月に合同会社「クアッガ」を設立した。社名の由来は、かつてアフリカにいたシマウマの一種だ。

 第一歩にパンを選んだのは、常温で数日、冷凍すれば数週間は保存できるパンでも、焼いたその日に捨てられることが多いからだ。パン好きの一人として疑問を感じていた。

 活動はネットにとどまらない。12日には横浜市青葉区のカフェで開かれた「あおばパンマルシェ」に、ロスパンなどを携えて出店した。屋外イベントは売れ行きが予測しづらいが、各店舗から出た「ロスパン」も、サイトを通じて売り切った。

 サイトの存在はSNSなどを通じて広まり、登録会員数は5千人を超えた。斉藤さんは「年内に会員3万人、登録しているパン店は200店舗をめざしたい」と意気込む。会員登録とパン店の登録はともに無料。問い合わせはクアッガ(03・6820・0941)へ。(茂木克信)