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 旧優生保護法(1948~96年)下で、障害のある人が強制的に不妊手術を受けさせられた問題で、被害者に一時金320万円を支払う制度を盛り込んだ救済法が4月に成立したことを受け、鳥取県は被害者へ一時金制度の説明を始めた。15日までに、5人と連絡が取れたという。

 県福祉保健課によると、県に手術の決定記録などが残っているのは21人。このほかに県の相談窓口を訪れた人が6人、県聴覚障害者協会による独自調査で判明した人が8人いて、手術を受けた可能性のある人は県内に合計35人という。

 国は被害者のプライバシーを守るためとして、被害者に対して制度を個別に通知はしないとしている。一方、県は早期救済のため、身元の分かった人から制度の内容などを伝えることにした。死亡した人や個人を特定できない人を除いた16人のうち、これまでに5人と連絡がつき、制度の内容を説明したという。

 被害者が一時金を実際に受け取るための手続きとして、本人の請求書や住民票の写しなどを国に提出する必要がある。県は職員が請求書を代筆したり、必要書類を集める手伝いをしたりして協力する。本人の意思表示が難しい場合に成年後見人をつける申し立て費や、国に損害賠償を求める訴訟を起こした場合の一部費用を補助するなど、予算をつけて県独自の支援も進める。

 救済法は被害者が死亡している場合は救済の対象にならないため、県は生存している被害者への連絡を急いでいる。将来的には、死亡した被害者の遺族にも連絡し、制度の説明をする可能性があるという。(鈴木峻)