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 「コーヒーいかがですか」

 「いくらですか?」

 「フリーですよ」

 無料でコーヒーをふるまいながら自転車で日本一周中の男性がいる。「フリーコーヒー」に込めた思いは「無料」と「自由」だ。

 熊本城へ向かう観光客が行き交う行幸橋のたもと、熊本市中央区の加藤清正公像の前に14日、その姿があった。姫路出身の西川昌徳さん(35)だ。

 「FREE COFFEE」のボードを掲げた自転車後部の荷台はテーブルになるよう改造されており、お湯を沸かすための鉄瓶やコーヒーミル、豆を詰めた瓶などが並ぶ。町を走りながら、人の心がフッと緩むような「スキのある場所」に店を出すようにしているという。

 「どこから来たの?近くから?」西川さんの気さくな問いかけに会話は弾み、その間にバーナーの火で豆を焙煎(ばいせん)し、香りが立つ熱い豆をひき、湯を沸かし、ペーパードリップでいれる。この日は、コスタリカ産の豆を使った一杯。すっきりした飲み口とフルーティーな香りが特徴だ。コーヒーを受け取った人たちの顔には笑顔がこぼれる。

 西川さんのコーヒーを飲む人たちの間にも、自然と会話の輪が広がっていく。「見ず知らずの人同士で話すからこそ自分の弱さもさらけ出すことができる」と西川さんは考える。

 昨年6月、自転車にコーヒーをいれるための道具一式とテントを積み、日本一周の旅を東京からスタートした。まず北海道まで北上。その後、列島を縦断し、14日に熊本までやって来たという。

 無料でコーヒーを提供するのは「お金の交換ではなく、思いの交換で生きていけるかの実験中」だという。コーヒーのお返しに、お金を置いていく人もいれば、家に泊めてごちそうでもてなしてくれる人も。数え切れない出会いのおかげでここまでやってくることができた。1年近く旅を続けたいま、「思いは確かに伝わっている」と感じている。

 徳島大学を卒業後、日本一周を…

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