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 5月23~26日に投開票される5年に1度の欧州議会選で移民問題が争点になっている。「不法移民」の排除を訴え、あるいは上陸を拒んだ「実績」を誇る右翼政党が、既成政党への幻滅や疲弊した地方の不満を吸収しながら各国で勢いを伸ばしている。(エルエヒド=疋田多揚、フォッジャ=河原田慎一)

 スペイン南部エルエヒドはビニールハウスが海岸から山裾まで埋め尽くす農業の町だ。その郊外に、不法移民が集まる円形交差点がある。

 16日午前8時半。1台の白いワゴン車が止まり、2人のスペイン人が降りた。15人ほどの中から「お前と、お前」と2人のセネガル人を人さし指で選び、「乗ってきた自転車は後ろに積め」と指示して2人を連れて行った。賃金や労働時間の交渉はない。

 乗せられていったセネガル人の男性(29)は1年前から毎朝、この交差点に立つ。「スペイン語が話せたりビニールハウスで長く働いたりすれば、選ばれやすい」。日当は30~40ユーロ(約3700~4900円)。選ばれずに終わることもざらだ。

 人口8万5千人の町で移民が3割を占め、農業労働を担う。だがここでは、不法移民の排斥を訴える新興右翼政党のボックス(VOX)が支持を伸ばしている。

 ビニールハウスでキュウリ栽培を営むフランシスコ・ベレンゲルさん(57)は「移民が多すぎる」と不満を漏らす。

 「きちんとした技能を持つ移民…

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