ペットの犬猫にマイクロチップ義務化 動物愛護法改正案
議員立法で今国会への提出を目指している、動物愛護法の改正案の概要が、わかった。販売用の犬猫に対するマイクロチップの装着義務化と、生後49日(7週)を超えれば販売出来る現状を同56日(8週)以下は出来ないようにすることが、柱となる。
超党派の「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」(会長・尾辻秀久参院議員)と、「自民党どうぶつ愛護議員連盟」(会長・鴨下一郎衆院議員)が提出を目指し、来週にも調整を終える見通しという。
マイクロチップは飼い主が遺棄するのを防いだり、災害などで飼い主とはぐれた際に捜すのに役立ったりすることが期待されている。チップに記録された数字を機器で読み取る。関係者によると、装着義務化の対象は、ペット販売業者が扱う、販売向けに繁殖された犬猫になる見通し。動物愛護団体などが一般の飼い主に譲渡する犬猫は、義務ではなく努力義務になる見通しだという。
義務化されれば、チップ装着は獣医師が担う。数千円程度のコストの負担が生じそうだ。現在は複数の民間組織で管理されているチップ情報の登録を、国の下で統括する仕組みも必要になるとみられるという。
また、動物愛護法の本則で生後56日(8週)を超えない犬猫の販売を禁じているが、付則に基づき、生後49日(7週)を超えれば販売出来るのが実情だ。今回の改正で付則をなくし、8週以下は販売を制限する。両議連の意向が一致したといい、改正案に反映される見通し。
ペット業界には、生後8週までの飼育が義務化されれば育てるコストが増えることや、犬猫が幼い愛くるしい容姿をとどめるとされる、生後7週での販売が出来なくなることによる販売減への不安があるとされる。ただ、販売業者らでつくる全国ペット協会は、8週超への賛成に転じているという。(松尾一郎)
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