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 岩手県釜石市の津波伝承施設「いのちをつなぐ未来館」が16日、開館以来1万人目の来館者を迎えた。同館は年間約1万6千人の入館者をめざしているが、10連休を中心に小中学生や企業などの研修団体などが来訪し、開館2カ月足らずで目標の6割超を達成した。

 1万人目となったのは奥州市水沢の団体職員、瀬川ハル子さん(73)。東日本大震災で67歳で亡くなった親戚の瀬川佐知子さんの供養のため、同市鵜住居町の追悼施設「祈りのパーク」を訪れ、犠牲者芳名板で佐知子さんの名前を確認し、手を合わせたあと、隣接する未来館にやって来た。

 野田武則市長から記念品などを受け取ったハル子さんは「夫同士がいとこで、私たちも妻同士で気が合った。津波が来て、一緒に逃げていた夫とつないでいた手が離れてしまったと聞いています。子育てが一段落し、これからというときに……」とありし日をしのんだ。

 多くの来場者が訪れていることについて、野田市長は「震災を語り継ぐ伝承者制度などで、教訓をしっかり伝えていかねばという我々の思いが通じたのではないか。今後も展示の仕方で工夫するなど改善を図りたい」と話した。(本田雅和)