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 京都府南部の山林や側溝で今月、図書館から盗まれた本が相次いで見つかった。3市町の4カ所で捨てられた本は、合わせると800冊超。いずれもこの1カ月前後に捨てられたとみられる。投棄された場所や時期が近いことなどから、京都府警は同一人物が捨てたとみて捜査している。

 府警が視野に入れている容疑は、窃盗や廃棄物処理法違反(不法投棄)。4カ所で見つかった本はいずれも図書館からなくなったもので、府警や被害にあった図書館は何者かが処分しようにも古本屋に売ることもできず、車で捨てに来たとみている。

 最初に見つかったのは5日。木津川市の農道沿いの竹林だった。通りかかった男性が発見。翌日に地元の図書館に連絡し、図書館側が木津署に相談した。

 338冊が約10冊ずつビニールひもで束ねられ、雨にぬれて一部にかびがはえていた。

 本にはあちこちの図書館のラベルが貼ってあった。京都府京田辺市立中央図書館が82冊と最も多く、同府宇治市中央図書館(66冊)、同府城陽市立図書館(42冊)などが続いた。伏見中央図書館(京都市伏見区)や滋賀県立図書館(大津市)の本もあった。

 内容別でみると、パソコンの解説本や株式投資、園芸に関する本が多かった。

 その後、宇治市や宇治田原町の山林で見つかった本も、最初の現場で見つかったひもと似た形のひもで束ねられていた。パソコンや植物に関する本が目立った。

 直近で見つかったのは16日。最初に発見された竹林から南西へ1・5キロほど離れた木津川市道の側溝で、84冊がばらまかれたような状態で見つかった。パソコンに関する本のほか児童書やヨガの関連本もあったという。

 投棄された竹林や山中など、4カ所は南北に十数キロ、東西に5キロほどの範囲にある。府警や複数の図書館によると、いずれも道路から目につく位置に捨てられ、新しい本は確認できていないという。木津川市の中央図書館によると、最初の現場で見つかった同市の山城図書館の本21冊は、2008~14年になくなっていたものだったという。

 ある図書館の職員は「捨てたのは盗んだ本人ではなく、処分に困った家族や遺族かも。当人が何らかの事情でいなくなり、どうしたものか悩んだすえ、最近になって捨てたのでは」と想像する。ある府警幹部は「引っ越しや部屋の片づけで邪魔になったのだろうか。捜査を続け、捨てた人物を特定したい」と話す。(甲斐俊作)