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(17日、大相撲夏場所6日目)

 平成世代の筆頭と目された29歳がさえない。大関の高安が3敗目。早くも優勝争いから脱落しつつある。

 立ち合いの体当たりはよかったが、次の踏み込みが甘い。玉鷲に下から攻められ体を起こされたから、押しの力が伝わらない。土俵際、苦し紛れの左の投げがすっぽ抜けて万事休す。取組後は無言を貫いた。

 新大関の貴景勝が休場し、高安が担う責任は重くなったはずだ。なのに、もう一人の大関豪栄道ともどもピリッとしない。「どうしたんですかね。2敗でいてもらいたかった」と藤島審判長(元大関武双山)。ファンも同じ思いだろう。

 大関になって約2年たつが、初優勝が遠い。足踏みをしている間に3歳下の御嶽海、7歳下の貴景勝が先に賜杯(しはい)を抱いた。北勝富士や大栄翔、朝乃山ら他の20代も台頭してきた。それに反比例するかのように、高安の存在感はかすむ一方だ。

 今場所前、腰痛でしっかり稽古を積めなかったのが響いているのか。本人は弱音を吐かないが、支度部屋では伏し目がちの姿が目立つ。兄弟子の荒磯親方(元横綱稀勢の里)は「ちょっと歯車が合っていない。体のバランスがね。何とか耐えて、1日1日やり続けるしかない」と奮起を促す。

 前日の取組後は「千秋楽まで優勝争いに残れるように食らいついていく」と話していた。令和の幕開けを飾る夏場所。意地をみせることで「高安、ここにあり」を示して欲しい。(金子智彦)