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 まだ食べられるのに捨てられる食品ロスを減らそうと、コンビニ各社が取り組みを始める。定価販売へのこだわりを緩め、消費期限が迫った弁当やおにぎりを実質的に値引く。ロスの削減は世界的な課題。消費者の意識も鍵を握りそうだ。

 「食品ロスは社会的に大きな問題だ。ローソンも正面から向き合っていく」。竹増貞信社長は17日に東京都内で開いた記者会見でそう話した。

 弁当やおにぎりは、深夜から早朝にかけて店に届くが、これに「Another Choice(もう一つの選択)」と記したシールを貼っておく。

 これらの商品を午後4時以降に買ってくれた「Ponta(ポンタ)」か「dポイント」の会員に、100円ごとに5円分をポイントとして還元する。還元分は本部が負担するほか、対象商品の売り上げの5%を子どもの支援団体に寄付する。

 まずは愛媛県と沖縄県の約450店で6~8月に実証実験を行い、客の反応や削減効果を確認。全国に広げていく。全国の約1万5千店から出る食品ロスは年4・4万トン。売り上げに対する廃棄費用の割合を、2030年までに半分にすることをめざす。

 セブン―イレブン・ジャパンも、ポイント還元を、この秋から全国約2万店で始める。弁当など約500品目について消費期限まで4~5時間を切った時点でセブンの電子マネー「nanaco(ナナコ)」で買ってくれた客に、定価の5%ほどを還元する方向だ。

 コンビニの食品ロスをめぐっては、2月の節分シーズンに販売される恵方巻きが大量に捨てられるなど社会問題になっている。

 各本部が店主と結ぶフランチャイズ契約では、廃棄に伴う負担は、大半が店主にまわる。一部の店主からは、本部の売り上げ確保につながる廃棄を推奨されたとの声も出ていた。

 値引きの制限は独占禁止法違反にあたるとの判断を公正取引委員会が2009年に示した後も、各本部は定価販売を重視してきた。

 ここにきて、廃棄削減をうたった値引きに踏み切る背景には、コンビニを取り巻く厳しい世論がありそうだ。

 ことし2月、大阪府東大阪市のセブン店主が本部の制止を振り切って営業時間を短縮した。各地のコンビニ店主を悩ませている要因として、人手不足に伴うバイトの人件費上昇や24時間営業、大量出店に加え、廃棄分の負担にも注目が集まっていた。

 神戸大学の石川雅紀名誉教授(環境経済学)は「大量の食品ロスはおかしいという社会の後押しがコンビニを動かした。カード会員を増やしたい本部にもメリットがある」とみる。

 大手3社のうちファミリーマートは「正価販売のなかで利益を確保していきたい」(広報)としており、ポイント還元に乗り出す考えは今のところない。恵方巻きやおせちなどを完全予約制にすることで、廃棄を減らしたいという。(佐藤亜季、神沢和敬)

賞味期限、運用見直しも

 食品ロスを減らす取り組みは、スーパーや外食などほかの業界も含めて広がりつつある。賞味期限をめぐる慣例「3分の1ルール」の見直しはその一つだ。

 消費期限は傷みやすい食品に設けるのに対して、賞味期限は、傷みにくい食品についておいしく食べられる期限を示す。

 このルールは例えば、賞味期限…

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