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 集団予防接種の注射器使い回しによるB型肝炎訴訟で、肝がんで死亡した男性の遺族3人と国側との和解が17日、大阪地裁(菊地浩明裁判長)で成立した。国が和解金3600万円を支払う内容。全国B型肝炎訴訟大阪弁護団によると、カルテなどの裏付け資料がなく、医師の証言で感染が認定された全国初のケースという。

 弁護団によると、男性は36歳だった1984年ごろに慢性肝炎を発症。91年に肝がんで兵庫県内の病院に入院し、93年に45歳で亡くなった。B型肝炎訴訟では、原告側はカルテなどの記録から感染を裏付けるが、男性のカルテはすでに廃棄されていた。同弁護団は、男性の主治医だった医師が男性のことを覚えていたため、訴訟で「B型肝炎患者として紹介されて検査・治療にあたった」と証言してもらったという。

 同弁護団の菅野園子弁護士は「医師が患者のことをきちんと覚えていて、法廷での証言にも応じてくれた恵まれた事例。患者救済の道が広がった」と話した。(遠藤隆史