池袋暴走、遺族の夫「まるで生き地獄」 今も仕事行けず
東京・池袋で乗用車が暴走し、横断歩道を渡っていた松永真菜さん(当時31)と長女の莉子ちゃん(同3)がはねられ死亡した事故の発生から19日で1カ月になるのを前に、真菜さんの夫の会社員男性(32)が17日、都内で朝日新聞などの取材に応じた。
「絶望感が増し、生き地獄のような日々」。妻の松永真菜さん(当時31)と長女莉子ちゃん(当時3)を亡くした会社員の男性(32)はこう振り返った。
この日、男性は弁護士に伴われ、カメラの前で、匿名で取材に応じた。持参した折り紙には、ハートマークとともに男性の似顔絵がクレヨンで描かれている。ある日仕事から帰ると、「お父さんにプレゼント」と言って渡してくれたという、莉子ちゃんの力作だ。「最近顔を描くのがうまくなっていたのに」
この1カ月、事故現場を4回ほど訪れ、遠くからそっと手を合わせた。献花台はいつも花やお菓子であふれていた。「痛かったね。お母さんと一緒に天国にいてね」。小学生の女の子の手紙が、心に響いた。
車を運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三・元院長(87)からは、弁護士を通じて手紙が届き、謝罪の申し入れもあった。だが、「2人の死を受け入れることで精いっぱい」と断った。時が経つにつれ、怒りがこみ上げてくる。「2人の未来を一瞬で奪った償いは一生をかけても足りない。厳罰に処してほしい」
毎晩8時は莉子ちゃんが寝る…
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