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 大阪市の御堂筋で2014年、糖尿病に伴う低血糖症による意識低下状態で乗用車を運転し3人に重軽傷を負わせたとして、危険運転致傷罪などに問われた会社員の宮谷則幸被告(70)の差し戻し審判決が22日、大阪地裁であった。野口卓志裁判長は過失運転致傷罪を適用し、禁錮1年6カ月執行猶予3年(求刑禁錮1年6カ月)を言い渡した。

 判決によると、宮谷被告は同年6月30日午後、大阪市中央区の御堂筋で、運転前に血糖値を下げるインスリン注射を打ったうえ、低血糖症の前兆である熱っぽさを感じていたことから意識障害に陥るのを予見できたのに、血糖値を測定器で確認せずに車を運転。交差点で信号待ちの乗用車に衝突するなどし、計3人に骨折などのけがを負わせた。

 検察側は、被告が意識障害に陥る危険性を具体的に認識できていたとして、刑事罰がより重い危険運転致傷罪で被告を在宅起訴したが、その後に過失運転致傷罪を起訴内容に追加。差し戻し審では過失運転致傷罪を中心に立証し、危険運転致傷罪については求刑しなかった。

 弁護側はインスリン注射を否定。今回の運転の約1時間前に測定した血糖値は通常より高く意識障害は予見できなかったとして無罪を求めたが、判決は被告が血糖値管理のために日頃から注射していたとする医師の証言をふまえて、被告はこの日血糖値が高かったために注射し、その影響で血糖値が急激に下がって低血糖の症状を感じていたと推認できるとして、被告に過失があったと結論づけた。

 そのうえで、量刑について検討。「低血糖症を認識していたのに軽信し、過失の程度は軽くない」と指摘した一方、被害者全員と示談をしていることなどから執行猶予をつけた。

 判決後、被告は「控訴します。みなさん理解できていない」、弁護人の足立毅弁護士は「承諾しがたい判決。無罪になることを信じていた」と話した。控訴を検討するという。

 16年8月の一審・大阪地裁判…

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