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 人権保護、法の支配を掲げ47カ国が加盟する欧州評議会は17日、ヘルシンキで外相による閣僚委員会を開き、全加盟国に「平等な参加の権利を保障する」とする共同声明を採択した。ウクライナ南部クリミア半島の併合を機に投票権を停止され、離脱を示唆していたロシアをつなぎとめる動きで、ウクライナなどの強い反対を押し切った。

 委員会後、ロシアのラブロフ外相は記者団に「危機の打開に道を開くものだ」と語り、声明を歓迎した。

 欧州評議会は1949年の設立。ロシアはソ連崩壊後の96年に加盟を果たしたが、2014年のクリミア半島併合やウクライナ東部の親ロシア勢力への支援などを理由に、欧州人権裁判所の判事などを選ぶ議員会議での投票権を停止された。ロシアはこれに強く反発。17年からは分担金の支払いも拒否している。

 17日の共同声明は6月の議員会議に「全加盟国が参加することを歓迎する」としており、事実上ロシアの要求を受け入れた形だ。AP通信によると、議長国フィンランドのソイニ外相は採択後記者団に「クリミア併合が違法であることは忘れられてはならない」と述べたが、ウクライナは採択に強く反発。リトアニア外務省も「ロシアがまず建設的な手段をとるべきだ」とする批判の声明を出した。

 欧州評議会では人権問題などでロシアに対する批判が強い。しかし、ロシアが離脱すれば、その国民は欧州人権裁判所に人権被害を訴える権利を奪われることになり、議論を呼んでいた。同裁判所で昨年欧州人権条約違反が指摘された事例880件のうちロシアからの訴えは238件で、2番目に多いトルコの140件を大きく引き離している。(モスクワ=喜田尚)