116キロ照強、99キロ炎鵬を破る 仲良しの小兵対決

波戸健一
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(18日、大相撲夏場所7日目)

 幕内最軽量99キロの炎鵬(えんほう)が土俵に仰向けで大の字になった。してやったりの表情は幕内で3番目に軽い116キロの照強(てるつよし)だ。「きれいに(投げを)食ってくれた」。低く潜る相手を投げで崩し、最後は右足で強烈なすそ払い。「足がくる予感はなかった」と炎鵬は舌を巻いた。

 ともに24歳、小兵で業師という共通点はあるが、相撲人生は大きく違う。大学から入門した炎鵬に対し、照強は中卒のたたき上げ。炎鵬は初土俵から所要13場所で幕内に上がったが、照強は幕下で約5年も足踏みした。「今日は高ぶった」と照強は振り返った。

 ただ、敵対心を抱く相手ではない。「お互いにけがなく、小兵同士で一緒に番付を上げていきたい」。炎鵬から肩の負傷の相談を受けた時には、自分の部屋のトレーナーを治療に向かわせたことも。普段もテーピングを分け合ったり、食事に行ったり。大型力士が全盛の時代に立ち向かう「同志」のような意識がある。

 大きな相手と戦う日々を、照強は「この野郎って気持ちがないと勝てない」と言う。小さな体で奮闘する全力相撲が、幕内前半の土俵を盛り上げている。(波戸健一)