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 作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(97)が作家デビューする前に、「三谷晴美」のペンネームで書いた少女小説を紹介する展示会が、徳島県立文学書道館(徳島市中前川町2丁目)で開かれている。18日には、代表作のひとつ「ふりそでマリア」を声優と高校生が朗読する催しがあった。

 寂聴さんは1950年代、幼少時代の本名「三谷晴美」名で、9年間にわたって少女小説を書いていた。初めて雑誌に掲載された「青い花」や、人形浄瑠璃「傾城阿波の鳴門」を基にした「鳴門悲曲(ひきょく)」などの代表作14点が、あらすじと解説付きで展示されている。多くは、逆境に負けず、思いやりの心を持ってたくましく生きる少女を描く。「一貫して平和への願いが込められ、後の作品の特徴が出ている」と企画した竹内紀子学芸員(61)。

 朗読会には、鳴門市出身の声優・田毎(たごと)なつみさんと県内の高校生7人が参加。江戸時代初期、迫害を受けるキリシタンを救うため、困難を乗り越えながら旅をする姫君の物語を表現した。田毎さんは「徳島出身で誇りに思っていた寂聴さんの作品を、徳島の学生たちと演じられてうれしい」。徳島市立高2年の中沢千祥(ちさ)さん(16)は「信じることにまっすぐでいられることは、昔も今も大事だと思った」と話した。

 展示会では、寂聴さんが憧れ、少女小説の挿絵も担当した蕗谷虹児(ふきやこうじ)さん(1898~1979)ら3人の画家の作品も並ぶ。26日まで。月曜は休館。観覧(入館)料として大人510円、高校・大学生350円、小中学生250円。問い合わせは同館(088・625・7485)。(高橋豪)