[PR]

 オーストリアの中道右派・国民党のクルツ首相は18日、右翼・自由党との連立を事実上解消し、総選挙を前倒しすると表明した。自由党のシュトラッヘ副首相が同日、自身の不正疑惑を報じられて辞任する意向を伝えていた。国民議会(定数183)は過半数の賛成で解散でき、前倒しは確実。クルツ氏は選挙の時期を「できるだけ早く」と述べた。

 自由党は今月下旬の欧州議会選に向けて運動をしており、連携する他国の右翼にも痛手となりそうだ。

 シュトラッヘ氏は、投資家とされる人物に不正を持ちかけるような発言をしたことを暴く報道が17日にあり、責任を取った。18日に自由党党首の辞任も決め、副首相の後任にホーファー運輸相が就いて連立を維持するようクルツ氏に働きかけていたとみられた。

 自由党は、欧州で勢いを増す右翼勢力の中心の一つで、2017年12月から政権与党の座にある。国民党とは「反移民」の政策で一致する一方、対外政策では欧州連合(EU)と協調するクルツ氏とは異なり、EUに懐疑的で他国の右翼との連携を続けている。

 自由党ではこれまでも、地方幹部らがネオナチへの支持を疑われるような行いや差別的な言動によって辞任する騒動が相次いでいた。

 クルツ氏は18日夜、首相府で連立解消を表明する際、「もうたくさんだ」と述べ、自由党が国と政権のイメージを傷つけたとして批判した。(ウィーン=吉武祐)