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 北海道釧路市中心部で、遅咲きのサクラ「釧路八重」が咲き始めた。「春を長く楽しめるように」と造園業の稲沢六郎さん(故人)が試行錯誤の末に繁殖に成功し、品種登録して今年で38年になる。日本列島を北上したサクラ前線を、ぽってりとした淡紅色の花が締めくくる。

 釧路八重は、エゾヤマザクラの突然変異種。濃い紅色のつぼみから30~50枚の花びらをつけた八重咲きが生まれる。例年、エゾヤマザクラが散る5月下旬ごろに見頃を迎える。

 釧路造園組合理事長の太田武憲さん(72)によれば、寒冷地の道東では春に花をつける木は少ない。このため、六郎さんは「一重のエゾヤマザクラのあと、あでやかな八重桜がほしい」と、造園仲間に繰り返し語っていたという。

 六郎さんは造園業を始めた戦前から、サクラに興味を持ち、山で色の濃いサクラを見つけてはその種をまいていた。そんななか、1967年に見つけた1本は八重咲きだった。これを繁殖させたいと、埼玉県の接ぎ木の名人のもとに穂木を持参したが失敗。72年に釧路市に自生するエゾヤマザクラを台木にしたら、接ぎ木に成功した。自宅に植えて花を咲かせた。

 「花びらを1枚1枚、テーブルに並べてね、枚数を数えて定規をあてて大きさを測って。父は『すごいサクラが咲いたぞ』って大変な喜びようでした」と次女の稲沢悦子さん(81)は振り返る。

 釧路八重は81年に新種として登録された。

 しかし六郎さんは病に倒れる。…

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