第2次世界大戦末期、大阪では延べ約1万5千人が空襲により犠牲になった。戦後74年が経とうとする今でも、死没者名簿に新たに刻まれる名前がある。
「おしずどん」
今年4月、大阪国際平和センター(ピースおおさか)に、新たな犠牲者の名前の届け出があった。「ずっと気にかかっていたんです」。届け出た大阪市中央区の鳴尾和子さん(81)は、こう語る。空襲当時7歳の鳴尾さんには、おしずどんの本当の名前はわからない。わかっているのは、母の静子さんとともに亡くなったお手伝いさん、ということだけだ。
鳴尾さんは大阪市西区で機械…