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 大正時代のステンドグラスの傑作などがある青森県中泊町尾別、米穀集荷業宮越寛さん(60)方の離れと庭園について、町は本格的な保存整備に乗り出した。20日には関係者を招いて限定公開し、津軽半島のど真ん中でひっそりと守られてきた「宮越ワールド」が姿を現した。離れの建築から100年に当たる来年には一般公開し、地域の活性化につなげたい意向だ。

 離れの文化財の中心は、明治末に米国留学から帰国し、ステンドグラスの技法を持ち帰った小川三知(さんち)作の3点。涼み座敷と呼ばれる12畳間から庭を望む4枚の大型ガラス障子には、コブシとアジサイ、ケヤキが配されている。廊下の直径約1メートルの円窓には、十三湖を思わせる湖に帆掛け船が浮かぶ。浴室の窓には、アヤメとカワヤナギ、カワセミが描かれている。冬の間、離れは雪囲いに覆われていたが、この日の限定公開で全貌(ぜんぼう)を見せた。

 作品の存在は、ステンドグラス研究家の田辺千代さんが、15年前に小川三知の日記から突き止めていた。しかし、その後も非公開だったため、ほとんど無傷の状態で保存された。田辺さんは「小川三知の最高傑作が、無傷で百年保存されたのは素晴らしいこと。町の人がこの文化財を誇りをもって語り継げるよう、私もお手伝いしたい」と話す。

 宮越さんの曽祖父で第9代当主…

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