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 欧州連合(EU)加盟28カ国で23~26日にある欧州議会選挙を控え、ベルリン中心部で19日、ナショナリズムに反対する数万人規模の集会とデモが開かれた。移民・難民排斥などの主張を掲げる右翼勢力が欧州議会選を利用し、EU崩壊や国粋主義への回帰に導こうとしていると批判。人権や多様性のある欧州を守るため連帯しようと訴えた。

 会場となった市内中心部の広場には、若者やお年寄り、子ども連れの家族などが集まり、まるでお祭りの雰囲気。「開かれた自由な社会のために」「壁はいらない橋をつくろう」といったプラカードや旗などを掲げ、市内を歩いた。

 イタリア出身のガブリエルさん(57)は「EUは戦争から得た我々の成果だ。欧州が協力して平和と繁栄を実現しないといけない」。地元ベルリンの公務員の50代男性は「EUは危機にある。だが、たくましい。ここにいる人たちこそが主流派だ」と語った。

 欧州議会選は5年に1度、EU加盟各国で実施される。各種の世論調査では今回、中道の主流政党が議席を減らす一方で、EUに懐疑的な右翼勢力が各国で議席を伸ばすとの予想が出ている。

 ただ、オーストリアの右翼政党党首が、ロシアの投資家とされる人物に対し、選挙支援の見返りに便宜を図ろうとした映像が明らかになり、18日に党首を辞任したばかり。連携する他国の右翼政党の支持にも影響が出るとの見方もある。(ベルリン=野島淳)