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 木の枝などから糸でぶら下がり、風に揺れるミノムシ。その「命綱」の強さはナイロンの4倍もあった――。こんな研究結果を、奈良県立医科大学の大崎茂芳名誉教授らがまとめた。30日に、大阪市である高分子学会で発表する。

 チャミノガなどのガの幼虫は、吐いた糸で枯れ葉の切れ端や小枝などを固めて作った袋を身にまとって越冬する。その袋がミノのように見えることからミノムシと呼ばれる。枝からぶら下がるだけでなく、下にある枝に移ったりする。まさに糸が「命綱」だ。

 大崎さんらは、チャミノガの幼虫約50匹とそのミノの重さとの関係を調べた。幼虫が成長するとともにミノも重くなり、常に幼虫自身の65%ほどの重さのミノを身につけていることが分かった。約30匹分の糸を集め、一定の速さで伸ばして弾性を保てる強度を調べたところ、ミノ付きの体重の2倍まで耐えられることが分かった。

 また、糸の太さと長さをそろえた場合に、糸を一定の長さまで伸ばすのに必要な力も計算した。チャミノガの糸を伸ばすには、ジョロウグモの糸の2倍、ナイロンの4倍ほどの力が必要で、非常に強いことが明らかになった。

 ミノムシの糸を電子顕微鏡で調べると、2本の繊維がくっついて1本になる構造をしていた。大崎さんは「ミノを含む実質的な全重量を考慮した強度になっている。しかも、繊維の1本が切れても大丈夫で、万一の場合の安全性が考えられている」と話している。(杉浦奈実)