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 被爆者健康手帳と健康管理手当の申請を却下された男性(故人)への長崎市の処分を取り消した14日の長崎地裁の判決を受け、市は21日、控訴しない方針を関係者らに示した。

 男性は「被爆体験者」訴訟の原告の1人。提訴後に亡くなったが、2017年12月、最高裁は「遺族が訴訟を引き継げる」として、長崎地裁に審理を差し戻した。14日の地裁判決は、生前の陳述などから男性の入市被爆を認め、長崎市の処分を取り消した。

 21日、男性の支援者と、被爆体験者訴訟の原告約30人が市役所を訪れ、中川正仁・原爆被爆対策部長と面会。控訴の断念と被爆体験者問題の解決を求める要請書を提出した。

 中川部長は「入市被爆をめぐる個別案件として裁判所の判断を尊重し、控訴しない方針」と話した。今後、男性の遺族からの申請に応じ、健康管理手当や葬祭料の支給を審査する。一方、被爆体験者については「今回の判決は、被爆地域の拡大など制度や法の解釈にかかるものではない」との考えを示した。(弓長理佳)