引っ越し中の子ガモ9羽、親に取り残される 住民が機転
紙谷あかり
要法寺(京都市左京区法皇寺町)の境内の池で育った子ガモ9羽が21日、約700メートル離れた鴨川に引っ越した。100メートルほど進んだ住宅街の路地で親のつがいが飛び去り、ひなは取り残された。「ピー、ピー」。鳴きながら帰りかけたが、世話をしてきた近くの住友宏子さん(74)が好物のレタスで誘導。1時間半ほどかけて行き着くと、見守った人たちから「よかったー」と歓声がわいた。
子ガモは4月生まれ。午前6時45分ごろに歩き始めた。交差点で横断歩道をよちよち渡るとき、11人の川端署員が「厳重ガード」をしき、渡りきるまで車に止まってもらった。住友さんは「無事に着いて一安心。子ガモだけやと心配だから、鴨川にしばらく様子を見に行くわ」と話した。
寺の池に産卵を始めた2005年以来、毎年この時期に移動している。(紙谷あかり)
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