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 さいたま地裁が今月、窃盗などの容疑者約10人の勾留延長を許可する際、規則で定められた裁判所の書記官名を必要書類に記載していなかったことが、同地裁などへの取材でわかった。勾留延長後にさいたま地検が不備に気づき容疑者らを釈放。埼玉県警は、うち数人を急きょ別の容疑で再逮捕した。専門家は「慎重を期すべき強制力を伴う手続きでの誤りは問題だ」と指摘している。

 地裁や捜査関係者らによると、書類は2日に地裁が勾留延長を決定した際、地検に交付した勾留状。刑事訴訟規則は「裁判所書記官が、交付の年月日を記載して記名押印しなければならない」と定めているが、年月日と記名押印がなかった。

 勾留状を受けた地検は、県内の複数の警察署に勾留されていた容疑者らの勾留延長手続きを経て勾留した後、記載漏れに気づき釈放。県警は半数を別の容疑で再逮捕し、ほかは任意捜査に切り替えた。

 地検が7日、勾留状の有効性を地裁に尋ねた際には「影響がないと考える」との回答を得たという。地裁はこの見解について朝日新聞の取材に「担当裁判官の判断」などとして詳細は明らかにしていないが、21日、記載漏れは認め、「今後同様のことがないように徹底したい」とした。地検が容疑者を釈放したのは、より適正な手続きに基づく捜査を行うためとみられる。

 刑事訴訟法に詳しい渡辺修・甲南大法科大学院教授は「初歩的なミス」としたうえで「勾留状の作成権限は裁判官にあり、書記官の記名押印がないだけで直ちに無効とはならないと考えられるが、ミスが続けば令状審査のあり方に不信感を抱かせる。再発防止を徹底すべきだ」としている。(山口啓太)