自動車のF1レースで1970~80年代に活躍した元世界王者のドライバーで、大事故からの生還でも知られるニキ・ラウダさんが20日、死去した。70歳だった。オーストリア通信によると、スイス・チューリヒの病院で家族にみとられ、静かに息を引き取ったという。昨年夏に肺の移植手術を受け、その後は元気な姿を見せていた。

 オーストリアのウィーン出身。ミスの少ない正確で慎重な走りで頭角を現し、「ラット(ねずみ)」とあだ名された。75年にF1の年間タイトルである世界王者を初めて獲得し、世界王者に通算3回輝いた。

 名門フェラーリに所属していた76年、ドイツでのレースで走行中に大事故に遭い、炎に包まれて頭部などに大やけどを負った。再起不能と言われたが、約6週間で復帰。その年にも勝利を重ねて話題になった。

 ライバルだったジェームス・ハントさんとの関係を描いた映画「ラッシュ/プライドと友情」が、2014年に日本で公開された。

 現役時代から航空会社を創業するなど実業家としても活躍した。引退後は複数のF1チームの役職に就く一方で、航空会社の経営に携わった。ウィーンなどを中心に欧州で運航する格安航空会社(LCC)のラウダモーションも経営した。同社は後にライアンエアーの傘下に入った。(ウィーン=吉武祐)