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 東京電力が4月に始まった在留資格「特定技能」の外国人労働者を福島第一原発の現場作業に受け入れる方針を表明したことについて、厚生労働省が21日、「極めて慎重な検討」(根本匠厚労相)を東電に求めた。日本語に不慣れな外国人労働者が放射性物質が残る現場で働くことは労災事故につながりかねないためで、事実上、受け入れ方針の見直しを促した。

 厚労省はこの日、東電に対し、安全衛生教育や被曝(ひばく)線量管理、健康管理などで日本人と同等以上の対策を同社のほか、廃炉作業に携わるゼネコンなど協力会社が取るよう求める通達を出した。母国語で翻訳された教材を作ることなども求めている。東電が近く協力会社を対象にした会議を開くことから通達に踏み切ったという。

 福島第一原発は事故から8年がたった今も、原子炉建屋周辺など放射線量が高い区域がある。溶け落ちた核燃料の取り出しなど、より困難な作業も予定されている。

 特定技能の外国人に原発で作業をさせることを関係法は禁じておらず、厚労省は「民間企業の判断」との姿勢だ。ただ、在留期間が最長5年の外国人労働者が帰国後、被曝線量なども含めた健康チェックを将来にわたって確実にできるのかを疑問視する声があり、送り出し国の側からも懸念が出ている。ある厚労省幹部は「何の法的制約もないため、先手を打った」と話す。

 菅義偉官房長官はこの日の記者会見で「短期で帰られた後の衛生の問題、色々なことが生じてくる。しっかり対応しなさいということ」と指摘した。

 東電は「慎重に検討し、その結果をすみやかに厚労省に報告する」(広報)としている。東電関係者は「もともと外国人を前向きに受け入れると決めたわけではない」と話す。