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 がん免疫治療薬「オプジーボ」の開発につながる研究で昨年のノーベル医学生理学賞を受賞した京都大の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授が、薬を販売する小野薬品工業に対して、対価をめぐる契約の見直しなどを求めてきた問題で、小野薬品は22日、「契約見直しの代わりに京都大に対して寄付を検討している」などとするコメントを発表した。

 小野薬品は2006年の契約に基づき、本庶さんへの対価約26億円を法務局に供託した。これに対し、本庶さん側は、現在の市場規模から試算すると対価は830億円相当などと主張し、契約見直しと対価の上乗せを求めている。

 小野薬品はコメントで、昨年11月、本庶さん側に「対価の上乗せという枠組みではなく将来の基礎研究の促進や若手研究者の育成に資するという趣旨から京都大学への寄付を検討している旨、申し入れた」とした。提案金額は明らかにしていない。

 本庶さんも同日、弁護士を通じてコメントを発表。「(それまで要望していた対価の上乗せに比べて)寄付の提案金額は明らかに引き下げの提案のため、大学も応諾していない」などとし、小野側が今後、対価の引き上げに応じない場合、「訴訟提起を検討する」としている。

 本庶さんは90年代から00年初頭にかけて、免疫のブレーキ役となる分子「PD―1」とその機能を解明し、03年に小野薬品と特許を共同出願。06年に対価をめぐる契約を小野薬品と結んだ。小野薬品はこの特許を活用して米製薬大手とオプジーボを開発。オプジーボを含むがん免疫治療薬は17年現在、1兆円を超える市場に成長している。