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 兵庫県尼崎市立尼崎高校男子バレーボール部の体罰問題で、市教育委員会の報告書で対応の不手際を指摘された同校の桑本広志校長(58)と般若利博・体育科教頭(58)が22日、市内で報道陣の取材に応じた。桑本校長は「部活動は顧問に任せきりで、体罰があるとは思ってもみなかった」と説明し、市教委が指摘した「体罰を容認する空気」については「私個人は感じていなかった」と述べた。

 被害生徒が負ったけがについて「限りなく隠蔽(いんぺい)に近い」報告をしたと市教委に指摘された般若教頭は「隠蔽の意図は全くなかった。(報告書には)ショックを受けた」と話した。

 21日に公表された市教委の報告書は、部の男性コーチ(28)による部員への体罰が常態化していたと指摘し、男性監督(51)の体罰もあったと言及。4月29日にコーチにたたかれた部員が鼓膜を損傷し、一時意識を失う状態に陥ったのに、けがの事実を伏せたメモを学校側に提出した監督の行為を「隠蔽」と判断した。

 般若教頭は、コーチのメモで生徒の負傷を把握したにもかかわらず、校長へ渡した報告書にけがの事実を記さなかったと指摘されたが、この日の説明では「第一報を上げるのを優先し、短い時間で(報告書を)仕上げて記載が抜けてしまった」と強調。コーチのメモについても「(けがの部分を)読み飛ばしてしまった。斜め読みした」と述べ、内容を熟読できていなかったと釈明した。

 桑本校長は、教頭の報告書とともに、けがの事実を記したコーチのメモも渡されていたが、「受け取った認識がなかった」と説明。「監督からの『けがはしていない』という当初の説明を聞き、そう思い込んでしまった」と述べ、「不適切な初期対応と言われればその通りだ」と語った。

 男子バレーボール部の体罰をめぐっては、市教委が5月9日、学校側からの報告をもとに「生徒にけがはなかった」と発表。負傷した生徒側からの指摘で15日に発表内容を訂正した。